昆布(出汁のいろは)


左より日高昆布、羅臼昆布、利尻昆布、真昆布

昆布の語源は、アイヌ語の「コンプ」、「クンプ」から来たとされている説、また紀元前820年頃の中国で「綸布(クワンプ)」の名称で呼ばれ、日本に伝わった説があります。産地は東北地方(青森、岩手、宮城)より北の沿岸、そして北海道全沿岸です。収穫量の93%は北海道産とされています。

かつて昆布は、シダ類と同じく山に生息していましたが、地球の温度が下がった時に発生した水蒸気で、山の一部分に水が溜まった。そこに生えていたのが昆布です。つまり昆布は山菜と元々同じ種類であり、真昆布を「山だし」と呼ぶのもそのためです。

昆布は獲った後、太陽の光に当てることが大事で、これによりうま味成分のグルタミン酸を引き出します。その後、重要なのが寝かせ方。ワインと同じで、蔵で何年寝かせるかによって熟成が変わり、出汁の出やすさが違ってくるのです。

そして昆布の種類による優劣はありません。どの種類をどう使うかは、お店によりけりです。出汁に向くか向かないか、水で早く出るのか、雑味が多いか少ないかで、好きな種類を使えばいいでしょう。ただ我々料理人の中では、万能でクセがない真昆布を使う方が多いと思います。そして液の色は、その昆布の育ち方によって色素も変わりますし、水の浸け方によっても変わるものなので一概には言えません。

ちなみに、昆布(グルタミン酸)、鰹節(イノシン酸)、干し椎茸(グアニル酸)、以上の3つを日本の三大うま味と言います。

鈴木直登

東京會舘和食総料理長 鈴木 直登氏
>出汁の取り方はこちら

利尻昆布 利尻昆布 利尻昆布出汁 北海道最北端の礼文島、利尻島で収穫される。雑味が少なく、液の透明度が高いので吸物に向いている。関西で使われることが多く、真昆布よりも、やや塩分味が強い。
羅臼昆布 羅臼昆布 羅臼昆布出汁 知床半島羅臼町で収穫される。液は黄色みがかった色で、コクがあり濃厚。香りも高く、昆布の王者のような存在。
日高昆布(三石昆布) 日高昆布 日高昆布出汁 三石昆布のうち、襟裳岬、日高地方沿岸で収穫される昆布を日高昆布と呼ぶ。ヨードが多くて溶けやすいく、液が濁りやすい。出汁を取った後は、昆布巻や佃煮に使うことが多い。
真昆布 真昆布 真昆布出汁 函館を中心とした道南地方で収穫される。身が厚く幅も広いため出汁がたくさん取れるという長所があり、人気が高い。クセがない出汁が取れ、朧昆布やとろろ昆布、白板昆布にも使われる。

>出汁の取り方はこちら