木浦信敏氏

卓越した熟練の技をもつ料理人をクローズアップします。

名前:木浦信敏
生年月日:昭和23年7月22日 鹿児島県生まれ
所属団体:なだ万会
所属店舗:㈱なだ万

【この道に入った年月と動機】

昭和40年、地元のホテルにホテルマンとして入社したところ、同ホテルの料理長にこれからの時代は技術を身に付けた方が良いと声をかけられ、また彼の料理人としての夢などを聞かされていくうちに職人の道にひかれていきました。

【自らの抱負】

料理の流れは日々変化しています。日本料理という伝統を守りつつ、新しい料理を常に研究し、時代に順応する料理を作っていくべきと考えます。後進の指導育成、これからの日本料理の発展に貢献すべく、日々研鑽してきたい。

【修業中の人達に望む事】

人生において、料理人という一つの道を進んでいくにあたり、瞬間瞬間を大切に生き、将来へのバトンを受け継いでいってほしい。



秋麗

先 付 1.琥珀寄せ
前 菜 1.毛蟹身出し
2.車海老びんろう
3.蛸柔煮
4.鱚黄金寿司
5.炙り北寄貝
6.赤万願寺鋳込み揚
7.管長芋
8.鮭児
吸 物 1.変り土瓶蒸し
焼 物 1.鮑肝焼
2.伊勢海老
3.合鴨ロース
煮 物 1.小鍋仕立
2.聖護院蕪
琥珀寄せ
今日は、日頃店でお出ししている料理を中心に献立を用意いたしました。まず先付は琥珀寄せです。ゼリー地は出汁にこだわって作ったもので、ダブルチキンコンソメスープを取りました。通常どおり鶏を掃除し、野菜類を入れて灰汁を取りながらスープを取るのですが、この行程を二度繰り返し、再度火にかけながら、煮出した出汁を加えたものです。こうして取ったスープはだいぶ濃厚で、ゼリー状になってきますので、これを鰹出汁で割って淡口と味醂で調え、琥珀寄せのゼリー地としました。
毛蟹身出し、車海老びんろう 等
前菜の蛸柔煮ですが、普段は昔から受け継がれてきた柔煮の炊き方をしていますが、今日は圧力釜を使い、短時間でできるやり方にしてみました。方法は同じなのですが、足を一本ずつばらし、叩いて繊維をのばしまして、味つけした合せ出汁と蛸を圧力釜に入れ、蒸気が出てから一一分で火を止め、冷ましたものです。鮭児・アボカド味噌漬は、アボカドの色が飛んでしまわぬよう、レモン水でサッと洗い、水分をよく取って、ガーゼに包んで味噌漬にします。味噌漬は、普段みなさんが魚を味噌漬にする時と同じ要領でいいでしょう。荒粒味噌、白味噌、砂糖、味醂、甘酒を合わせた味噌床に半日くらい漬け込んだものです。鮭児は三枚に卸して薄塩をあててスライスし、昆布で締め、先ほどのアボカドと共に、今回は博多にしてみました。
変り土瓶蒸し、丸仕立
吸物は変り土瓶蒸しです。出汁は、すっぽんのスープを鰹出汁で割ったものです。すっぽんは身のほうも使い、白玉の真ん中にほぐした身を鋳込んで、丸白玉としました。上に芽葱をあしらい、今回は酸橘ではなく、生姜を絞っています。
鮑肝焼、伊勢海老 等
続いて焼物の鮑肝焼ですが、こちらは常の通り鮑をきれいにし、酒蒸しして庖丁します。肝は裏漉しして白味噌、胡麻油、濃口醤油、砂糖を合わせ、肝醤油としまして、身の上に塗って焼き上げました。合鴨ロースは、まずフライパンで脂を取ってから真空調理をしています。こちらは蒸し上がった後、急に氷水で冷やすのではなく、一度新聞紙に取り、余熱を取ってから氷水に入れますと、庖丁した時に、きれいなピンク色が出ていいと思います
小鍋仕立、聖護院蕪
煮物は食材に少し中華風なものを取り入れ、小鍋仕立にして、香りに黒胡椒を少し添えました。