浅野一弘氏

≪6月20日更新≫浅野 一弘 氏
卓越した熟練の技をもつ料理人をクローズアップします。

生年月日:昭和39年1月26日 神奈川県生まれ
所属団体:関西調理師親鱗会
所属店舗:茶寮一松

【この道に入った年月と動機】

昭和59年3月。子どもの頃から食べ物を作るのが好きで、父親の実家が漁師でもあり、小さい時から魚と触れ合うことが多かったので、自然と料理の道へ入りました。

【自らの抱負】

昨今の急激な変革の高波に翻弄されている現在、日本料理の本質を見失わないよう、これからも向上心を忘れずに一層努力して、伝統・文化を引き継いでいきたいと思う気持ちでおります。

【修業中の人達に望む事】

料理人の前に、一社会人としての自覚を持ち、信念を持って、頑張ってもらいたいと考えております。






季春の御献立

旬彩五点 1.北寄貝炙り
2.寄せ酢味噌葱巻
3.竹の子餅
4.帆立貝北海蒸し
5.水松貝・楤の芽

御 椀 1.変り沢煮椀
炊合せ 1. 蛤黄身糝薯
2. 春大根蟹葛寄せ
3. 眼張オイル蒸し
焼 物 1. 桜鱒桜香焼
2. 蕗青煮
3. 熨斗めふん
4. 百合根織部茶巾
5. 空豆直火炊き
酢の物 1. 豆乳・若布博多寄せ
2. 巻海老油霜
北寄貝炙り、寄せ酢味噌葱巻、竹の子餅、帆立貝北海蒸し、水松貝・楤の芽
●北寄貝炙りは、北寄貝を殻から外し、掃除して霜降りし、炙る。水前寺海苔は色出しする。は抜きし、色よく仕上げる。黄は茹でる。以上の品を吸酢に浸し、炙った北寄貝と共に盛り、酢を張る。

●寄せ酢味噌葱巻は、酢味噌を作り、形が取れるくらいのゼラチンで寄せて庖丁する。長葱の白い部分をレモン湯で茹でて庖丁し、寄せた酢味噌に巻く。

●竹の子餅は、竹の子を、鷹の爪を入れて茹で、冷まし、水にさらして灰汁抜きする。下の部分を擂り卸し、かるく水分を切り、白玉粉、上新粉を混ぜて皮とする。小柱は立塩で洗い、水分をよく取り、の味噌と和えて芯とし、先の皮で包み、一度蒸してから打ち粉をし、揚げる。

●白魚磯香干しは、白魚を立塩に浸し、三本ずつ串を打ち、青海苔をまぶして風干しし、火取る。

●帆立貝北海蒸しは、帆立を殻から外し、水洗いし、擂り身にする。は皮を剥いて庖丁し、蒸して裏漉しする。クリームチーズは柔らかくもどしておく。帆立六、馬鈴薯二、クリームチーズ二で合わせ、蒸し缶に入れて蒸し上げる。うるいは二度漬けにする。

●・の芽白和えは、水松貝を掃除し、色出しして庖丁する。楤の芽は塩茹でし、吸地に含ませる。豆腐を茹で、押して水切りをして羽二重漉しにする。食パンの耳を取り、あまり色づかないようにして油で揚げ、油抜きをして一晩押し、油がしっかり抜けたら牛乳と鶏スープを同割にした地に浸ける。ある程度水分が残るくらいに地を切って裏漉しし、先の豆腐をよく当り、味を調え、水松貝と楤の芽を和える。

変り沢煮椀
●変り沢煮椀は、を水洗いして三枚に卸す。柵取りして薄塩し、玉酒で洗い庖丁し、酒焼きにする。

豆腐は茹でて押し、水分を切って裏漉しし、卵白、ラードを入れて蒸し、形よく庖丁する。軸三つ葉は色よく茹でる。京人参、は、細長く庖丁し、茹でて吸地で含ませる。先の豆腐に京人参、独活、軸三つ葉をそれぞれ巻く。浜防風を添え、吸口は胡椒とする。

蛤黄身糝薯、春大根蟹葛寄せ、眼張オイル蒸し
●蛤黄身は、を水、酒、昆布でゆっくりと火を入れ、口が開いたら身を取り出し、蒸して叩いておく。生身を蛤の茹で汁、卵黄、白味噌を少々入れて程よい硬さにし、流し缶に入れて蒸す。

●春大根蟹葛寄せは、大根を筒状にして茹で、芯を抜いて含ませておく。毛蟹を塩茹でし、身を取り、解しておく。蟹の殻を焼き、水、酒、昆布、くず野菜を入れ、スープを取る。スープ七、葛一で練り上げ、上りに蟹身、蟹味噌を入れて薄当りを取って仕上げ、先の大根に流し入れる。

●眼張オイル蒸しは、を水洗いして三枚に卸し、薄塩を当て、小骨を抜き、玉酒で洗い、庖丁して焼霜し、太白胡麻油でオイル蒸しとする。竹の子は追いをして含ませる。菜の花は色よく塩茹でし、含ませる。は生姜を花弁に剥き、米の研ぎ汁で茹で、よくさらし、辛味を抜いて含ませる。

桜鱒桜香焼、蕗青煮、熨斗めふん、百合根織部茶巾、空豆直火炊き
●桜鱒桜香焼は、を水洗いして三枚に卸し、塩を当てて小骨を抜き、玉酒で洗い庖丁し、薄口三同割に漬けて焼く。桜の花の塩漬を、塩分を抜き過ぎないように塩抜きし、花弁を取り、レンジにかけ、水分を完全に取って当り鉢に当り、裏漉しで振るう。白身魚の手屑を取り、薄塩を当てて玉酒で洗い、茹でてさらしにくるんで揉み洗いし、よく絞って二枚鍋で煎る。ある程度水分が残っているうちに先の桜花を入れて香りを移し、完全に煎りあげ、焼いた桜鱒にかける。

●蕗青煮は、を色よく仕上げ、含ませる。

めふんは、塩漬のめふんの塩を抜き、醤油七、酒二、味醂一にマスタードを入れた地に漬け替え、味がなじんだら取り出し、ペースト状になるくらいまで庖丁でよく叩き、脱水シートに挟んで水分をよく取り、乾燥させる。

●百合根織部茶巾は、百合根を掃除し、少々の出汁を振って蒸し、裏漉しする。砂糖、塩であたりを取って二つに分け、片方にグリンピースの裏漉しを混ぜて二色とし、茶巾にする。

●天豆直火炊きは、を鬼皮剥きして隠し庖丁を入れ、出汁、醤油、味醂、砂糖で直火炊きとする。

豆乳・若布博多寄せ、巻海老油霜
●豆乳・若布博多寄せは、豆乳にゼラチンを入れて煮溶かす。若布は掃除して吸地で柔らかく炊き、ミキサーにかけた後、ゼラチンを入れて煮溶かし、先の豆乳と博多に寄せる。

●巻海老油霜は、巻海老を高温の油で油霜とする。こごみは色よく茹で、吸地に浸す。雲丹酢は、生雲丹に酒を振って蒸し、裏漉しする。温度玉子を作り、卵黄を取り出して裏漉しし、先の雲丹と混ぜ合わせ、少し甘めの吉野酢でのばす。